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オオハシシギ(Limnodromus scolopaceus)の分類 シギ科(Scolopacidae)
オオハシシギ(Limnodromus scolopaceus)の概要 オオハシシギ属(Limnodromus)

オオハシシギ(Limnodromus scolopaceus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Limnodromus scolopaceus (Say, 1822)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:77~88 mm
・翼長:雄 160~184 mm 雌 163~181 mm
・跗蹠:45~55 mm
・尾長:55~78 mm
・体重:165~245 g

参考文献

最終更新日:2020-07-15 キノボリトカゲ

分布

全北区。ユーラシア大陸東部と北アメリカ大陸西部の北極圏に繁殖分布し、北アメリカ大陸からメキシコにかけて越冬する。

日本にはあまり渡ってこないが、ごく少数がやってきて越冬しているものもある。

記録は10月ごろから翌年の4月ごろまでに多い。旅鳥とされることもある。

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分類学的位置付け

シギ科

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形態

成鳥の形質

【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は濃い赤錆色で、各羽には黒色の軸斑があり、後頸の軸斑はやや幅が狭い。

顔・腮・喉は濃い赤褐色で、眼先から黒色の過眼線がある。

背・肩羽は濃い赤褐色で、各羽には黒色の軸斑がある。

胸・腹・脇・下尾筒は濃い赤褐色で、雄では脇と下尾筒に黒色の斑紋がある。

腰・上尾筒は白色で、黒色の斑点と横斑があるが、上尾筒は全体に赤錆色を帯びている。

下雨覆は白色で、翼縁に沿った部分は褐色である。腋羽は白色で、黒褐色の横斑が多少ある。

初列風切は暗褐色で、内弁の先端以外の縁には白色の縁がある。羽軸は白色。次列風切は白色で、黒褐色の斑がある。

尾は汚白色で、黒褐色の横縞がある。雌は全体に赤錆色が淡く、褐色を帯びている。嘴色は黒褐色、虹彩は暗褐色。

【雄雌冬羽】
体の上面は暗褐色で各羽には白色の縁がある。腰・上尾筒は白色で、黒色の横縞がある。

体の下面は白色で、前頸と胸側には暗褐色の横斑がある。嘴色は赤錆色で、先端は黒色。

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幼鳥の形質

成鳥の冬羽に類似するが、体の上面の各羽には黄味がかった赤錆色の縁がある。前頸と胸は淡赤錆色を帯びている。

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卵の形質

卵は褐色勝ちのオリーブ褐色の地に暗褐色の粗大な斑が不明瞭に散在するものと、オリーブ灰褐色の地に赤褐色の不規則な線になった斑紋と、灰褐色の斑点とが散在し、斑紋や斑点は鈍端の方に密在するものとが知られている。

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生態

生息環境

泥深い溜水、溜池、水田、ハス池などに現れる。繁殖地では、低地の泥深い小沼の多い蘚地、藪ツンドラに営巣する。

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食性

泥深い水の中をゆっくり歩きながら、長いくちばしを頭が水につくほど深く差し込み、上下にしごくように使う。

くちばしはほとんど垂直に挿入する。昆虫、とくに双翅類の幼虫やサナギを食べる。

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鳴き声

クィ―、クィ―と哀調を帯びた声で啼き、飛翔中にも啼く。

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特徴的な行動

繁殖期は5~6月、おそらく一夫一妻で繁殖する。巣は水湿地の高まりにつくる。

1巣卵数は4個、雌が抱卵し、雄は近くで見張っているが、夜間は抱卵するのかもしれない。

雛は20~21日ぐらいで孵化し、早成性の離巣性で、雄のみが世話をするという観察があるが、くわしいことはわかっていない。

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その他生態

繁殖期になわばりを分散をする。番は直径 100~300 mの地域をもっている。

雄は地上 1~20 mでフライトディスプレイをする。非繁殖期には小群で現れる。

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種・分類一覧