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- コモンシギ(Tryngites subruficollis)について

コモンシギ(Tryngites subruficollis)
- 【 学名 】
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Tryngites subruficollis (Vieillot, 1819)
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:雄 19~21 mm 雌 18~19 mm
・翼長:雄 136~140 mm 雌 126~132 mm
・跗蹠:29.5~34 mm
・尾長:59~62 mm
参考文献
最終更新日:2020-07-08 キノボリトカゲ
- 分布
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新北区分布型。レック行動が知られているシギである。
北アメリカ大陸の北極圏で繁殖し、南アメリカ大陸中部に渡って越冬する。
日本はわたりのルートから離れており、めったに現れない迷鳥である。各地で9月と4月に記録がある。
参考文献
最終更新日:2020-07-08 キノボリトカゲ
形態
- 成鳥の形質
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【雄雌夏羽】
額・頭上・後頭・後頸は黒色で、各羽には粘土褐色の縁がある。眼の上には粘土色の眉斑がある。
耳羽・眼先・頬・前頸・頸側は粘土色、腮・喉は淡粘土色である。
肩羽・背・腰・上尾筒は黒色で、各羽には粘土褐色の縁がある。胸は淡粘土色で、各羽の先端は灰白色である。
胸側には黒色の斑が多少ある。腹と下尾筒は胸と同色であるが、やや淡色である。
下雨覆は淡赤錆色を帯びた粘土褐色で、翼縁に沿った部分には黒色の斑があり、後端の方ほど淡色で白色に近い色である。
初列雨覆は淡赤錆色を帯びた灰褐色で黒色の大理石様の斑紋があり、先端近くには黒色の幅の広い縁があり、外側には更に白色の縁がある。腋羽は白色。
初列風切は土褐色で先端付近は金属光沢のある緑色を帯びた黒色で、羽端には白色の細い縁があり、内弁の基部は白色で、先端には黒色の細かい斑紋と微細な斑点とがある。
内側のものの外弁の基部は白色で、羽軸は大部分白色である。
次列風切は褐色で、内弁の前半部は白色で、先端の部分には褐色と黒色の大理石様の斑紋があり、各羽縁には白色の細い縁があり、先端には更に黒色の斑がある。
三列風切は黒色で、粘土褐色の縁がある。大雨覆は暗褐色で、羽端には白色の縁があり、中・小雨覆は黒色で、粘土褐色の縁がある。
初列雨覆・小翼羽は暗褐色である。尾は中央の1対は金属光沢のある黒褐色、ほかの尾羽は淡灰褐色で先端には褐白色の縁と黒色の帯がある。
嘴色は緑色を帯びた黒色、虹彩は淡褐色、脚色は褐色を帯びた黄色。
参考文献
最終更新日:2020-07-08 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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成鳥の冬羽に類似するが、体の上面は光沢がなくて褐色を帯びた黒色である。体の下面は白色勝ちである。
成鳥にある初列風切の内弁の黒色の斑点と大理石様の斑紋とは不明瞭である。
成鳥にある下雨覆の大理石様の斑紋は不明瞭である。
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最終更新日:2020-07-08 キノボリトカゲ
生態
- 特徴的な行動
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レックで受精した雌は単独で巣をつくり、1巣卵数4個を産み、抱卵、雛のすべてを行う。
雄は4~6羽の小群でレック活動をする。
雄はそれぞれ直径 10~50 mぐらいのなわばりをもち(Pitelka et al. 1974)、ほかの雄を追い出して盛んに両翼をはばたかせ、波うたせ、裏面の白色を誇示し、繰り返してジャンプする地上のディスプレイを行う(Parmelee et al. 1968;Prevett & Barr, 1976)。
この騒ぎに雌が誘引されてくる。この雄のレック活動は短期的で、1週間ぐらいで終わる。
周辺の雌との交尾がすむと雄のグループは移動し、別の場所に移ってレック活動をするものと考えられる。
参考文献
最終更新日:2020-07-08 キノボリトカゲ
- その他生態
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ムナグロなどの群れに混じって草原や芝原で餌を漁ることが多い。
採餌中には跗蹠を曲げ体を蹲らせて食物を漁る。歩行時には脚を交互に高く上げて歩み、このときには頸を伸ばしているのが常である。
警戒心が少なく、近くまで接近することができる。
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最終更新日:2020-07-08 キノボリトカゲ