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オオアカゲラ(Dendrocopos leucotos)の分類 キツツキ科(Picidae)
オオアカゲラ(Dendrocopos leucotos)の概要 アカゲラ属(Dendrocopos)

オオアカゲラ(Dendrocopos leucotos)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Dendrocopos leucotos (Bechstein, 1802)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:35~43 mm
・翼長:144~151 mm
・跗蹠:25~29 mm
・尾長:81~100 mm
・体重:92~158 g
・卵:長径 26.3~30.2 mm×短径 19~21.4 mm 平均長径 28 mm×短径 20 mm

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オオアカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 385-387.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸の中緯度地方、ヒマラヤ山脈と砂漠や草原地帯を除く樹林地帯に分布する。

アカゲラよりも幾分南側に片寄っている。日本では北海道から本州、四国、九州、奄美大島に留鳥として生息する。

亜種のオーストンオオアカゲラ( D. l. owstoni )は、天然記念物と絶滅危惧種に指定されている。

参考文献

  • 中村登流 1995 オオアカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139-140.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

亜種・品種

日本にはエゾオオアカゲラ D. l. subcirris(南千島・北海道)、オオアカゲラ D. l. stejnegeri(本州北部・中部)、ナミエオオアカゲラ D. l. namiyei(本州中部・南西部)、オーストンオオアカゲラ D. l. owstoni(奄美大島)の4亜種が留鳥として生息。

参考文献

  • 吉井正 2005 オオアカゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 84.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

キツツキ目 キツツキ科

参考文献

  • 吉井正 2005 オオアカゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 84.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雄の頭頂は赤いが、雌は黒い。後頸・背・肩羽・上尾筒は黒色。腰は白い。

中央尾羽は黒色で、外側尾羽は白色に黒色の横斑がある。

顔から胸・腹は淡い黄褐色を帯びた白色で、腹から下尾筒までは紅色みをおびる。

嘴の基部から後方に向かう黒い線は、顔から胸の両側に広がる大きな黒色斑につながる。

翼は黒く、風切には白い小斑点が並んで横縞となる。嘴はまっすぐで、先端がとがる。

足は対趾足で、楔形の尾はかたく、木の幹に縦に止まるときに体を支える。

参考文献

  • 吉井正 2005 オオアカゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 84.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉食の裸体のままで初毛を欠く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オオアカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 385-387.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

低山帯、亜高山帯の樹林にすむ。

大きい樹木の多い常緑広葉樹林、落葉広葉樹林、針広混交林で見られるが、原生林や自然木の多い森林地帯に多く、二次林や造林地にはあまり現れない。

とくに巨大な枯死木や倒木のある林を好む。

参考文献

  • 中村登流 1995 オオアカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139-140.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

もっぱら枯れ木で採食することが多く、長時間1本の枯死木にこだわり、徹底的にほじくったり、大きい穴をあけたりする。

アリ類、甲虫の幼虫などを食べる。

参考文献

  • 中村登流 1995 オオアカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139-140.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は3~6月ごろまでで、アカゲラより少し早く、一夫一妻で繁殖する。

巣は枯死木に雌雄共同で掘る樹洞である。地上 10 mぐらいのところに、直径 6.5~6.8 ㎝ぐらい、深さ 40 ㎝ぐらいの巣穴を掘る(清棲, 1978)。

1巣卵数は3~5個、雌雄交替で抱卵し、15日ぐらいで孵化する。両親が雛を養い、27~28日ぐらいで巣立つ。

参考文献

  • 中村登流 1995 オオアカゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 139-140.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

警戒時にはキョッ、キョッと烈しく啼きアカゲラの声より大きく、アカゲラと同様に頭を左右に打振って啼く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オオアカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 385-387.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

特徴的な行動

樹幹に嘴端を激しく叩きつけてカラ、カラ、カラ、カラ、カラーと音を立てるが、主として蕃殖期に行う誇示(ディスプレー)の1種で、その音はアカゲラより大きい。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 オオアカゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 385-387.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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