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ヤマゲラ(Picus canus)の分類 キツツキ科(Picidae)
ヤマゲラ(Picus canus)の概要 アオゲラ属(Picus)

ヤマゲラ(Picus canus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Picus canus Gmelin, 1788

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:30~39 mm
・翼長:136~150 m
・跗蹠:25~28 mm
・尾長:87~110 mm
・体重:132~165 g
・卵:長径 27.3~31 mm×短径 21~22.3 mm

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ヤマゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 375-376.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

旧北区、東洋区。ユーラシア大陸の中緯度地方から、中国南部、ヒマラヤ東部、タイ、スマトラ島にかけて分布する。

日本では北海道のみに留鳥であるが、多くはなく、あまり見られない。

参考文献

  • 中村登流 1995 ヤマゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 141.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

キツツキ目 キツツキ科

参考文献

  • 吉井正 2005 ヤマゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 521.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雄の頭上前部は赤く(雌は赤色部がない)、それより後部は灰緑色で、顎線は黒い。背と肩は黄色がかった灰緑色。

腰は黄緑色で、尾は暗褐色に黒い横斑がある。全体にアオゲラとよく似ている。

参考文献

  • 吉井正 2005 ヤマゲラ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 521.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉食の裸体のままで、初毛を欠く。

また幼鳥段階の時点で成鳥によく似ており、幾分か色が控え目である。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ヤマゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 375-376.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

湿地林や河辺林にすみ、落葉広葉樹林や針広混交林で見られる。

山地の広葉樹林に現れることもある。また、大きい樹木の多い集落や公園でも見られる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ヤマゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 141.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

樹林内の下層部と地上で採食する。

樹木の枯死部、枯死木の根元、倒木、アリ塚などで、甲虫の幼虫、アリ、シロアリなどを食べる。

激しく枯死部を叩いて破壊したり、割れ目の中に深く下を入れたりして舐めとる。

また樹木の種子・果実、花蜜、樹液なども食べる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ヤマゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 141.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。巣は枯死木や生木の枯死部に、雌雄共同で樹洞を掘ってつくるが、内装はない。

北海道では心材が腐食している広葉樹の生木に掘り、4月中旬から掘りはじめるが、生木部分を掘るのに時間がかかる(松岡, 1977)。

巣は地上 5~12 mぐらいのところにあり、入り口の直径は 4~6 ㎝ぐらい、深さ 15~37 ㎝ぐらい。

1巣卵数は3~7個、抱卵は日中は雌雄交替で行い、夜間は雄が行う。雛は17~18日で孵化し、両親に養われて24~28日で巣立つ(松岡, 1977)。

雛への給餌は吐き出して行うタイプで、一度吐き出したものをくちばしにくわえ上げて与える(松岡, 1977)。

参考文献

  • 中村登流 1995 ヤマゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 141.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

警戒時にはキョッ、キョッと啼き、ときにはキャラ、キャラキャラまたはケラ、ケラ、ケラと烈しく啼くこともある。

蕃殖期にはヒョー、ヒョー、ヒョーまたはピョー、ピョーと高い声で啼く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ヤマゲラ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅱ. 講談社. 375-376.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

特徴的な行動

番の形成期には盛んにキューキューキューと鳴き、またドラミングを行う。

対立行動には幹をはさんで向き合って止まり、首を左右にゆするディスプレイが知られる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ヤマゲラ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 141.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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