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- シマアオジ(Emberiza aureola)について

シマアオジ(Emberiza aureola)
【IUCN】ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
- 【 学名 】
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Emberiza aureola Pallas, 1773
基本情報
- 大きさ・重さ
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・嘴峰:10~13 mm
・翼長:雄 72~82 mm 雌 69~75 mm
・跗蹠:17.5~22 mm
・尾長:53~63.5 mm
・体重:14~33 g
・卵:長径 18.7~22.5 mm×短径 14.7~15.7 mm 平均長径 21 mm×短径 15 mm
参考文献
最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 分布
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旧北区。ユーラシア大陸の中・高緯度地方に幅広く分布し、とくに東半分に多く、冬はインド、東南アジアに渡ってすごす。
日本では北海道で夏鳥として繁殖し、本州以南では旅鳥として渡り期に見られる。
1976年に青森県下北半島で繁殖が確認されている。
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形態
- 成鳥の形質
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雄夏羽は頭頂から後頸と額・背・腰は赤褐色で、翼は黒褐色と赤褐色の斑模様を呈し、雨覆の白色斑が目立つ。
眼先・頬・耳羽は黒色、喉・胸・腹は鮮黄色で、胸に褐色帯、脇に黒色縦斑がある。
尾は黒褐色。冬羽は全体ににぶい。
雌の頭頂から背は褐色で黒い縦斑があり、顔は褐色で黄色の眉斑がある。喉・胸・腹の黄色は雄に比べてやや淡い。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 幼鳥の形質
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孵化直後の雛は肉食の裸体のままで、鼠色の長い初毛が眼の上、後頭、背、上膊、前膊、腹などの羽域に生えている。
口中は鮮紅色、口角の縁は淡黄色である。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
生態
- 生息環境
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低地の平坦な草原にすむ。海岸草原、泥炭草原、牧草地、ハマナスやイワヤナギなどの藪が散在する草原などで見られ、草原の中でもイネ科の多い、比較的丈が低く、乾いた草原を好む(中村ほか, 1968)。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 食性
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草むらや藪の下の地上で採食し、水湿地や水につかる場所にはいかない。
ヨシ原にもいくが、オオジュリンのように垂直の茎に横止まりしたり、そこをすべるように上下するようなことはしない(城殿, 1977)。
夏は昆虫の幼虫・成虫を食べ、雛も動物食で養うが、渡り期にはもっぱらイネ科の種子を食べる。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- ライフサイクル
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繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。雄は雌が近づくと片翼を上げて振動させ、さえずりをともなう求愛のディスプレイをする(Ma-satomi & Kobayashi, 1982)。
巣は地上や藪の小枝に置くようにつくり、草むらや木の葉にうまく覆われて隠れている。
雄は、雌の前で巣材をくわえて伸び上がって見せたり、運んで見せるディスプレイをする(Ma-satomi & Kobayashi, 1982)。
巣は椀形で、外装には枯れ草を、内装には細い茎や葉、獣毛を使う。
雌のみが巣づくりを行い、雄はつききりでメイトガードをする。
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- 鳴き声
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チッ、チッと地啼きし、アオジより著しく優美な、チョ、チョッ、ヒョ、ヒリ、ヒー、ヒョ、ヒリ、ヒョーと低くて長く涼しげな声で囀る。
草原中のやや小高い灌木や草の頂などにとまって囀り、特に早朝に囀るものが多い。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
- 特徴的な行動
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雄は雌より1週間ほど早く繁殖地に現れ、雌が到来すると、雄どうしの間で追いかけ合いをしたり、競って雌に求愛して番を形成する。
その後で雄はなわばりを防衛する(Ma-satomi & Kobayashi, 1982)。
雄の行動圏は広く 40,000~70,000 ㎡で、この中によくさえずる地域がある。
ソングエリアは 9,000 ~ 17,000 ㎡で、とくにさえずりに集中する場所が少なくとも2か所ほどあり、ひとつは巣の近く、もうひとつは隣と接するところで、しばしば隣と共有している(中村ほか, 1968)。
オオジュリンのようなルーズコロニー型になることはないが、巣の分散は雄のなわばり分散と一致することはなく、隣と接近してつくられることもある(中村ほか, 1968)。
渡り期には単独か小群で移動していき、春の渡りには途上でさえずることがある。
越冬地では群れですごし、200羽にもなることがある(Ali & Ripley, 1974)。
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最終更新日:2020-06-23 キノボリトカゲ
関連情報
- その他
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交尾の際、雌は首を反らしてくちばしを上に向け、尾羽を立ててクロアカを示す反り返りディスプレイをする(Ma-satomi & Kobayashi, 1982)。
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