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オオマシコ(Carpodacus roseus)の分類 アトリ科(Fringillidae)
オオマシコ(Carpodacus roseus)の概要 オオマシコ属(Carpodacus)

オオマシコ(Carpodacus roseus)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Carpodacus roseus (Pallas, 1776)

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:10~12.5 mm
・翼長:80~95 mm  
・跗蹠:18.4~21 mm
・尾長:58~74 mm 
・卵:長径 19 mm×短径 14 mm位

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最終更新日:2020-06-11 キノボリトカゲ

分布

旧北区。シベリア東部、モンゴルからサハリン、ウスリーで繁殖し、冬は中国東南部、朝鮮半島、日本で越冬する。

日本には冬鳥として渡来するが数は少なく、とくに西日本ではまれである。

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和名の解説

マシコは猿子と書き、本種やベニマシコが体が赤いことからつけられた名前である。

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分類学的位置付け

スズメ目 アトリ科

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形態

成鳥の形質

【雄】
額、頭上、腮、頬は薔薇色で、各羽端は銀白色である。

後頭、頭側、眼先、耳羽、上嘴の基部、頸は薔薇色で、各羽の基部は黒褐色で、頸の各羽端は灰褐色である。

肩羽と背は薔薇色で、各羽には幅の広い黒褐色の軸斑があり、背の羽縁は灰白色である。

胸、腹、腰、上尾筒は薔薇色で、腹の中央と下腹とは白色である。脇は薔薇色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。

下尾筒は薔薇色を帯びた白色である。

風切羽は褐色を帯びた石盤色で、初列風切と次列風切の外弁には紅色の細い縁があるが、最外側の風切羽ではこの細い縁を欠いている。

三列風切の外弁には狐色を帯びた白色の幅の広い縁があり、大、中雨覆は暗褐色で、薔薇色を帯びた白色の縁があり、小雨覆は薔薇色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。

初列雨覆と小翼羽は褐色を帯びた石盤色である。

尾は褐色を帯びた石盤色で、外弁には薔薇色の細い縁があり、羽端は白色である。

嘴色は褐色、虹彩は暗褐色、脚色は灰褐色、脛羽は汚白色。

【雌】
頭部は暗赤色で、各羽には黒褐色の軸斑がある。

脛、背は淡褐色で、各羽には暗褐色の軸斑があり、背の各羽縁は淡薔薇色である。

胸、腹は淡赤色で、各羽には黒褐色の軸斑があり、腰は淡赤色、腰の上方の各羽には暗褐色の軸斑がある。

上尾筒は薔薇色、先端の部分の各羽は褐色で、薔薇色の縁がある。風切羽の外縁は狐色で、大雨覆の縁は狐色を帯びた白色である。小雨覆は狐色。

尾は暗褐色で、外弁には赤色の細い縁があり、羽端は白色である。ほかは雄と同様である。

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幼鳥の形質

【幼鳥】
不明。

【第1回冬羽】
雌成鳥に酷似するが下面の軸斑が明瞭であること、背面の薔薇色部分が多少バフ色を帯びていること、頭の薔薇色淡く多色褐色を帯びていること、腰の薔薇色は淡く一層橙色を帯びていること、並びに全体の薔薇色部が狭いことによって区別することができる。

【第2回冬羽】
幼鳥は第2年の秋季全体を換羽して第2回冬羽となる。

この羽衣は第1回冬羽と比較すると、雄は一層薔薇色を増しているが、下面には細い軸斑を有し、背には薔薇色がほとんどない。

頭と喉にはわずかに銀色の羽毛が現れてくるが、頭にはまだ明瞭な暗褐色の軸斑がある。

【第3回冬羽】
幼鳥は第3年の秋季の換羽により始めて成鳥の羽衣になると考えられる。

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卵の形質

卵は青色の地に褐色の斑点があるという。

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生態

生息環境

本邦には冬鳥として渡来し、山地の明るい落葉広葉樹林やカラマツ林の林緑に生息する。

一般にはまれな鳥だが、山梨県山中湖畔のように、毎冬定期的に渡来する場所もある。

夏季繁殖地では森林の林力や灌木林などに生息する。

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食性

ズミやイボタノキなどの低木の枝の上で実を食べたり、ササの実、アザミなどのキク科、タデ科、イネ科などの草の実をついばむ。また鞘翅類の昆虫も啄む。

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鳴き声

さえずりは聞いたことがない。

冬期に軽井沢で見たときには「チィー」とか「ツィー」という短い地鳴きを聞いた。

そのほか「フィッ、フィッ」とか「ピィーッ、ピィーッ」、あるいは「チッ、チッ」と鳴くという。

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その他生態

秋季は小群または大群で飛来し、林間の下草中や灌木林中の地上を、両脚を揃えて跳ね歩きつつ餌を漁る。

驚くと一斉に飛び立って付近の樹上にとまる。飛翔時には波形を描いて飛ぶ。

樹上でも餌を漁り、枝間をあちこちと枝移りしつつ餌を捜し求める。

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