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ホオアカ(Emberiza fucata)の分類 ホオジロ科(Emberizidae)
ホオアカ(Emberiza fucata)の概要 ホオジロ属(Emberiza)

ホオアカ(Emberiza fucata)

低危険種 (LC or LR/lc)

【IUCN】現時点での絶滅危険度の低い種

【 学名 】
Emberiza fucata Pallas, 1776

基本情報

大きさ・重さ

・嘴峰:11~13 mm
・翼長:66~78 mm
・跗蹠:20~23 mm
・尾長:58~72 mm
・体重:14~29 g 
・卵:長径 17.6~22.2 mm×短径 14.5~17.3 mm 平均長径 19.8 mm×短径 16 mm 重量 2.3~2.5 g位

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ホオアカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 96-97.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分布

旧北区。ユーラシア大陸極東部のウスリーと日本列島、および中国南部からヒマラヤにかけて不連続に分布し、冬は東南アジアに渡ってすごす。

日本では北海道、本州、四国、九州の各地で夏鳥として繁殖し、冬は本州の西南部以南で越冬するものがあり、九州南部ではかなり多数が越冬する。

参考文献

  • 中村登流 1995 ホオアカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 194.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

分類学的位置付け

スズメ目 ホオジロ科

参考文献

  • 吉井正 2005 ホオアカ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 521.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

形態

成鳥の形質

雄夏羽の頭上と後頸は青色あるいは淡黄色をおびた灰色で、黒い細い縦斑がある。

頬の赤褐色大斑はよく目立つ。顎線は黒色。背は褐色で黒褐色の縦斑がある。

小雨覆と腰は茶褐色。尾は黒褐色で、最外側2対に白斑がある。

喉・胸は白色で、胸には黒い縦斑が横に並んで帯状となり、その下に栗色帯がある。

腹は淡黄白色。脇に暗色の縦斑がある。

参考文献

  • 吉井正 2005 ホオアカ, 吉井正(監修) 三省堂編修所 (編) 三省堂世界鳥名事典. 三省堂. 521.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

幼鳥の形質

孵化直後の雛は肉食の裸体のままで、眼の上、後頭、上膊、前膊、背、腿などの羽域に灰色の長く豊富な初毛が生えている。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ホオアカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 96-97.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

卵の形質

卵は淡青色の地に、紫褐色、暗褐色、暗紫色などのやや粗大な雲形または曲線形の斑が散在するものと淡紫色と褐色の微細な小斑点が一面に密在するものとがある。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ホオアカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 96-97.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

生態

生息環境

低地、低山帯、亜高山帯の草原、あるいは草原状のところにすむ。

山地草原、泥炭草原、牧草地、スキー場、河川敷の草原、火山草原、海岸草原、荒れ地草原、干拓地、水田、低木や藪のまばらな草原など、あらゆる草原で見られる。

草原のなかでも、比較的草丈の低い乾いたところを好む(中村, 1963)。

冬は水田や河川敷の草むらにいる。

参考文献

  • 中村登流 1995 ホオアカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 194.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

食性

草が茂る地上や低木、藪の茂みで採食する。

冬は草むらに隠れて、近くの水田の土手や土手際に出てきて、地上を歩いてイネ科、タデ科などの小粒で乾いた種子などをつまみあげて食べる。

落ちている種子が見つけやすい地面を選ぶ。

干上がりつつある水溜まりのふちや、土手焼きの跡などを好む(中村・飯島, 1977)。

雛に運んでくる餌はほとんど昆虫で、直翅類や鱗翅類の幼虫・成虫が多い(中村, 1963)。

参考文献

  • 中村登流 1995 ホオアカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 194.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

ライフサイクル

繁殖期は5~7月、一夫一妻で繁殖する。

巣は草むらの間や草株の上、藪の枝の上などの置くようにつくり、草や葉の茂みにうまく隠されている。

巣は椀形で、外装には枯れ草、細根を、内装には細い茎や根、シダ類の仮根、獣毛などを使う。

雌のみが巣づくりをし、その間、雄はメイトガード(配偶者防衛行動)に雌について回り、巣づくり中は盛んにさえずる。

1巣卵数は3~6個、抱卵は雌のみが行う。約2週間ぐらいで雛が孵化し、雛への給餌は両親が行い、約10日ぐらいで巣立つ。

雛に近づくものがいると、雄も雌も地上に下りて擬傷行動をとる。

第2繁殖をする番があり、巣立ち雛に給餌する一方で雌が巣づくりをする。

参考文献

  • 中村登流 1995 ホオアカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 194.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

鳴き声

チョン、ピチー、チョン、ピチー、またはチョン、ピチー、ツー、チョン、ピチー、ツー、チョン、チョン、ピチー、ツー、あるいはチョッチン、チョチョ、ピーなどと囀り、ホオジロより声が低い。

チッ、チッ、チチンと鋭い声で地啼きする。

囀るときには小松、灌木、叢などの小高い頂や、ときには電線などにとまって啼く。

参考文献

  • 清棲幸保 1955 ホオアカ, 清棲幸保(著) 日本鳥類大図鑑Ⅰ. 講談社. 96-97.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

特徴的な行動

求愛行動に、雄が雌を追い回したり、雄と雌が向き合って無言で繰り返しはね上がるディスプレイがある。

参考文献

  • 中村登流 1995 ホオアカ, 中村登流、中村雅彦(著) 原色日本野鳥生態図鑑:陸鳥編. 保育社. 194.

最終更新日:2020-06-24 キノボリトカゲ

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